ゲイひとり大地を行く

50歳ゲイのひとりごと。19年間の社会不安障害との闘いを乗り越え、現在はより良い人生を求め日々模索中。

「三千円の使いかた」を読んで

原田ひ香著「三千円の使いかた」を読みました。

本の帯に「節約」家族小説!としっかり書かれているにもかかわらず、タイトルからてっきりハウツー本だと勘違いして、また表紙の絵にも何か惹かれるものを感じて、ハウツー本好きの僕としては「これは買わなくては!」と衝動的に買ったわけですが、100%小説でした。

僕がこの本を読んでいるのを母が見て、「それ、3千円のなんとかじゃない?」と聞くので「知ってるの?」と聞き返せば、「今日の新聞に大きく出てたから」と言うので新聞を見ると、48万部のベストセラー本として大々的に紹介されていました。

読み終えてAmazonでの評価を見ると、ネガティブな評価は結構ボロクソに書かれていますが、僕はこの小説とは非常に相性が良かったようで、スラスラと飽きることなく最後まで読み切りました。

自分自身が自営業で、特に今はコロナ禍でお金の不安は常につきまとっているし、額は大きくないものの事業的借金も抱えているし、ゲイでもうすぐ50で独身で将来を超不安視している身だからなのか、この小説に登場するキャラクターほぼ全員、特に主人公一家の女性4人の心情がやけに理解できて何か心にズシンとくるものがありました。

小説の中身をネタバレ的にここで書くつもりはないけれど、「あの人のせいで、私は我慢している、というような状態はやめるべきです..........」「人生はいつからでもできることがある.........」「いつからでも、どこからでも始められるように備えておくことが誰でも必要なんじゃないかな。それは借金があってもなくても同じ」という箇所にはグサッとやられた感じです。特に「あの人のせいで, 私は我慢.........」には。なぜなら、僕がまさに長い間我慢してきているから........

我慢しすぎて爆発しそうな心情だったけれど、この小説をよんで少し和らいだかな......我慢ばかりしないで、どこかで自分を解放しよう......借金、借金って思うけれど、銀行借入なんてどこの事業主もしていることだし順調に返済しているわけだから、借金していることに囚われないようにしよう、そう思いました。

そんな感じかな。

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では、また~