ゲイひとり大地を行く

50歳ゲイのひとりごと。19年間の社会不安障害との闘いを乗り越え、現在はより良い人生を求め日々模索中。

ゲイの僕は将来穏やかに死んでいけるのか

女優の八千草薫さんが亡くなりましたが、僕は十数年前、1度だけ八千草さんをお見かけしたことがあります。おっとりした感じでとても好印象の方でした。去年の夏、都内のある劇場前を歩いて通り過ぎた時、八千草さんの主演舞台がちょうど上演中で、「90歳目前にして舞台に出ているなんて凄すぎる」と驚いたこともありました。

ほんの6、7年ぐらい前までは自分の知っている人や有名人の訃報を聞いても、ある程度の衝撃はあっても僕自身にそれほどのインパクトはありませんでしたが、ここ最近は人の死を耳にするたびに「自分は穏やかに死んで行けるのだろうか?」と考えてしまいます。八千草さんの訃報を聞いてまたそんなことをふと考えてしまいました。

そう考えるようになった最大のきっかけは父親の死を経験したことです。

父が癌宣告され入退院を繰りした3年間の中で、例えば病室で父の傍にひとり座っている時など、もし自分が同じ状況になったら.......ということを考えてしまうことが幾度となくありました。

自分はゲイで独身で子供もいない

そんな僕は将来、父と同じように余命宣告されるほどの病に倒れた時どうすればいいのだろう? ひとりで病院に来れるのだろうか?入院の保証人は用意できるだろうか?入院のための身の回りの品は用意できるのだろうか?退院してもやっていけるのだろうか?そんなことを考えたりしました。

もし今、自分が病気になって死んでいくとしたら、母もまだ元気ですし、兄夫婦も若くそばにいますから色々と世話をしてくれることでしょう。でも、20年、30年、40年後は一体.........

自分がゲイで独身で子供もいないこと自体には自分を責めるような否定的な思いは一切ありません。むしろ、自分はそれで幸せだと思います。

ただ、将来自分が年老いていよいよ人の助けを必要とした時、ゲイで独身で子供がいないことが自分が想像する以上の苦労をもたらすのではないかと少しでも考えてしまうと、どうしても不安になってしまうのです。

僕には大学1年生になる18歳の甥っ子がいるので、将来どうしてもという場合には彼を頼ることになるでしょうが、できればそうしたくはありません。ではそうしないとしたらどうしたらいいのか?そんなことを考えるとより一層不安が増します。

八千草さんはご主人に先立たれお子さんもいなくいわゆる"おひとりさま"だったそうですが、あれだけの大女優ですからマネージャーがいて付き人がいて家政婦(今朝のTVでインタビューに答えていた)がいるなど、身の回りの世話をしてくれる人が沢山いたことでしょう。

でも僕はしがないただの一般人。マネージャーも付き人も家政婦もいなけりゃ、全財産を差し上げるので面倒を見てくださいと言えるほどの財産もありません。

将来ひとり取り残されて頼る人もいなく困るのであれば、いっそのこと家族の誰よりも先に死んでしまえばいい。でもはっきり言ってそれは嫌。やりたいこと、行ってみたい場所は砂の数ほどあり、せっかく社会不安障害を克服し精神的安定を獲得した今、死にたいとかそんなことを言っている暇など一切ありません。でも、将来のもしもを考えるとそれほど長生きもしたくない。考えれば考えるほど、ああでもないこうでもないと答えが見つからず終わりが見えません。

では一生添い遂げるパートナーがいたらどうでしょう......
自分が先に逝ってしまえば構いませんが、パートナーに先立たれたらどうすればいいのでしょう。そのパートナーも僕が先に逝って一人残されたら大変でしょう。養子縁組をしている子供がいるとか、面倒を見てくれる人がいれば問題はないでしょうけれど、そうでない場合にはどうしたらいいのでしょう。

僕のアメリカ時代の友人の女性は僕と同じ歳で独身なのですが、やはり僕と同じ心配をしています。ですので、これはゲイであるからということではなく、おひとりさまや子供のいないご夫婦にとっても当てはまる将来の不安なのだと思います。

みなさんもこんなこと考えたりするのでしょうか?特にゲイの方はどのような考えを持っているのか、何か準備をしているのかじっくりと聞いてみたいものです。

僕も色々と勉強をして、将来ひとりでも困らない対策を今から準備しておかなければいけないと八千草薫さんの訃報に接して思った次第です。

あぁ、今日はなんだか重くネガティブ色のある話題でしたね。基本、ネガティブなことは嫌いですのでこれ以上話を広げるのはやめておきます。次回からはまたなるべく明るい話題で。

気分転換の意味で明るい曲を1曲どうぞ


Justin Timberlake - CAN'T STOP THE FEELING! (From DreamWorks Animation's "Trolls") (Official Video)

あららっ、もう1時過ぎ。明日も早起きしなきゃだからさっさと寝ます。

では、また~