ゲイひとり大地を行く

50歳ゲイのひとりごと。19年間の社会不安障害との闘いを乗り越え、現在はより良い人生を求め日々模索中。

真夏のスーツなどいらない

毎日暑いですね~。

この連日の暑さにこの上ない幸せを感じております。これは僕の勝手な推測ですが、どうやら暑い気候になると僕の脳内ではドーパミンセロトニンのようないわゆる幸せホルモンが分泌される体質になっているのではないかと思うのです。

とは言っても、暑さに強いとか、ひとり飄々と涼しい顔をしているわけではありません。日本の夏の蒸し暑さと言ったらもう不快そのものですよね。ハワイとは大違い。汗はダラダラ、肌はベトベト。僕の美しくない顔は崩れに崩れ落ち、暑い暑いと唸る表情は険しくなるばかり。でもその不快さも含めてこの暑い日本の夏が大好きなのです。春夏秋冬なんて面倒くさいから、いっそのこと一年中夏でいいと思うほどです。

さて、先日の金曜日の事ですが、私用を済ませるついでに東京の街を1日ブラブラとしてきました。汗を沢山かいたので体力的には疲れましたが、先述したように暑い気候の中では幸せを感じる体ですので精神的には満たされた1日を過ごすことができました。

電車に乗り街を歩いていてふと思ったのですが、サラリーマンの方々のクールビズがかなり浸透しているなという印象を受けました。

僕がアメリカから帰国した2001年当時の日本では、クールビズなどという言葉すらありませんでしたしそういう考えもありませんでしたから、真夏でもサラリーマンの殆どがスーツにネクタイ。シャツも長袖でボタンもがっちり上まで留めて、ジャケットを脱ぐとかネクタイを緩めるとか腕まくりする人さえも少なく、皆さん汗だくで、まるで我慢大会を見ているようで本当に見苦しいものでした。特に僕はハワイというスーツとはほぼ無縁の土地にいましたから、日本に帰国してその光景を見た時、自分も就職したら同じように真夏のスーツという苦難に耐えなくてはいけないのかと思うと不安に陥ったものです。幸い、真夏にスーツということもなくこれまで来てしまいましたし、現在は家業ですから服装は自由で、夏は半袖・短パン・ビーチサンダルで軽快に働いています。

自分自身がラフなスタイルで仕事をしているので、クールビズと言われるスタイルでさえ暑そうに見えるのですが、それでも真夏のスーツ姿よりは断然涼しいのは確かでしょうし、お堅い日本でラフなクールビズが浸透していくのはとても素晴らしいことだと思っています。

帰宅してクールビズについて調べたところ、クールビズを依然として認めていない企業が4割あるとか。確かにガッチリとスーツに身を包み明らかに暑さに耐え苦しんでいるサラリーマンの方々もみかけました。20代と思える1人の男性はもう茹で上がってしまったような虚ろな目でそのうち倒れてしまいそうな雰囲気でした。この高温多湿の過酷な日本の夏に、薄着をすることを"認めない"とはいったいどういう意図があってそうしているのでしょう。

よくファッション性や信用性を掲げてクールビズ反対を述べる意見があります。
例えば、欧米では長袖にジャケットがマナーとか、クールビズでは取引先に失礼で信用されないとか........

ファッション評論家などが「日本のクールビズは間違いだらけ!欧米では長袖にジャケットがマナーなのです」と声高々と主張しているようですが、意味がわかりません。特に半袖ワイシャツに対して強く否定する傾向にあり、例えば

"クールビズのワイシャツは半袖を着るべきか長袖を腕まくりするべきか。最初に結論を述べておくと、半袖のワイシャツをかっこよく着こなせる人はごく少数です。
長袖を腕まくりするほうが見栄え的にスマートなスタイルであることは間違いありません。半袖ワイシャツのダボッとしたみっともないシルエットは、洗練されたスーツ男子像とはかけ離れています。長袖をロールアップした袖から覗かせる前腕の色気は、半袖では演出することができません。半袖シャツの上からスーツを羽織るのは、ビジネスマナーとしてもファッションセンス的にもNG。また、腕にかいた汗がジャケットの袖の裏地に染み込むのもマイナスポイントです。

だそうです。
そもそもここは日本なのですから、欧米に訪問する際にはあちらのマナーに従えばいいだけであって、日本にいながらにして欧米のマナーに従う必要などありません。第一、日本の夏の暑さは極めて凶暴です。一歩間違えたら熱中症で命を落としかねないのです。それでもファッション性や色気を追求して厚着をして暑さに耐えなくてはいけない意義がどこにあるのでしょうか......確かに長袖をロールアップした袖からのぞかせる色気とか彼らの言っていることも理解できるのですが、このクソ暑い最中、皆それぞれが溢れ出る汗を拭ったり仰いだりするのに精一杯な時に、半袖シャツの人を見ていちいち洗練されていないとかやぼったいとか批判する人がどれだけいるのでしょうかね。季節にふさわしい服装をすることによって、より仕事のパフォーマンスも向上すると思うのですが、パフォーマンスより見た目のが重要なのでしょうか........

クールビズでは取引先に失礼で信用されないという意見に対しては、ほんとにそうなの?と思います。この耐え難い暑さの日本の夏にクールビズを禁止しているほうがその企業のブラック感が伝わってくるようでそちらのほうが信用できないと思うし、スーツ着て汗だくで汗臭くて訪問する方が断然失礼だし恥ずかしいと思うのですが........それに訪問される側が「薄着をしてきて失礼だ。こいつは信用できない!」と考えるならそれもどうかしてると思います。ただでさえ暑くて辛いのを知ってるんだからクールビズぐらい認めてやれよって話ですよ。僕の所にも取引先の銀行から営業マンが涼しげな半袖シャツにノーネクタイでいつも訪問に来ますが、夏らしくてこちらとしても清々しい気分になります。取引の話をするわけであって、服装の話をするわけではないのでどんな格好であろうと気にしません。逆にこの猛暑の中、長袖シャツにネクタイ&ジャケットのガッチリスーツで来たらドン引きですわ。暑くないですか?とか気になって話に集中できません。

クールビズが導入されてから15年位ですか? 賛成派・反対派、様々な意見があってそれはこれから先いつまでたっても噛み合わないことでしょう。もういっそのことお互いがお互いをつつき合うのはやめて共存していけばいいと思います。猛暑の中でも長袖のシャツにネクタイを締めジャケットを羽織るのがマナーだと信じていればそうすればいいし、ただそれを他の人に押し付けるのはやめてほしいですよね。日本の夏には涼しい服装が一番。おそらく来年のオリンピックでは真夏にスーツ姿のサラリーマンを見て失笑する外国人訪問者が多いことでしょう。

f:id:Masa-Oka:20190806233928p:plain

ハワイではみんなこんな感じでアロハシャツが定番です。高級ブティックの店員さんや弁護士さんなど以外はスーツを着ている人は殆ど見たことがない.......ネクタイをしている人も極めて少ないと思います。

 

f:id:Masa-Oka:20190806232838p:plain

僕がハワイで働いている頃の写真です。オフィスにて.......いっつもこんな感じでした。全ての面接にもネクタイすらしていかなかったです。ハワイではその気候に適したビジネススタイルの服装が完全に確立されています。

日本でもそうなればいいのですが......

まだまだ猛暑が続くようですからくれぐれも熱中症にならぬようご自愛くださいませ。

では、また~