GAYひとり大地を行く

40代のゲイ雑記。19年間の社会不安障害との闘いを経て、バリバリのおひとりさまですが頑張って生きています。日々の暮らしで思ったこと、社会不安障害のこと、8年間の留学生活で学んだことなどを綴っていきます。

ゲイ友第1号と決別したこと~最終章:さよなら1号君

Mattです。

やっとここまで来ました。「ゲイ友第1号と決別したこと」シリーズ最終章です。いつもよりちょっと長めですので、さっそく参りましょう。

1997年8月、僕は24歳にして初めて男性とSEXを経験し、その初体験からわずか2,3日後には別の男性と性的行為を行いました。そのことは1号君の逆鱗に触れ、僕のシアトルの友人やオレゴン州にいる友人にまで、"Mattは淫乱男" "信頼のおけない男" "悪影響のある男"などと1号君によって流布されてしまったのです。

僕は怒りを抑えることができなくなり、ひとこと言ってやろうと1号君に電話をかけようと試みましたが、いざ電話をかけようとするとできないのです。反論すれば次は何をしてくるかわからない、もしかしたらハワイまで追いかけてくるかもしれないとオレゴン州にいる友人のYちゃんから脅しがかかってましたし、自分では強気でいるつもりでも1号君のこれまでを思うと恐怖を感じましたし、またそれと同時にもうどうでもいいやという気持ちもありました。

しかし、どうでもいいやと思ってもやっぱりスッキリしない。色々とYちゃんに相談していると、「1号君は昔から特殊だったけれど、こんなゴタゴタのなかった平穏な語学学校時代が懐かしいねぇ。ところでN君はどうしているんだろう」という話になりました。

N君とは? N君はこのシリーズの第2章以来、久々の登場です。ちょっとここでおさらいしましょう。

1993年5月、僕は初渡米して語学学校に入学しますが、そこで1号君、Yちゃん、N君という日本人留学生と仲良くなります。僕、Yちゃん、N君は同学年。1号君は1学年上。1993年12月、N君はいち早く語学学校を修了しカリフォルニア州へ越していきました。彼の実家の住所などは知っていたけれど、1993年12月に成田空港で別れて以来、誰も彼とは連絡を取っていませんでした。

Yちゃんは、「N君の実家にN君の連絡先を聞いてみる」「1号君の悪行をN君に話してみる」と言い出したと思ったら、あっと言う間にN君の実家にわざわざオレゴン州から連絡してN君の電話番号などを教えてもらい、あっという間にN君に連絡を入れ、Yちゃんの即効性に驚愕していたのも束の間、「N君からMattに電話いくと思うから」と言われたと思ったら、早速N君から電話がありました。

4年ぶりのN君との会話。緊張してしまいました。電話越しでも緊張のあまり全身汗だくです(社会不安障害の症状の一つ)。N君は、久しぶりにYちゃんに連絡をもらって嬉しかったこと、そして1号君のことを聞いて僕ともそのことについて話がしたいと思って電話をくれたことを教えてくれました。そして、「実は俺も1号君の被害者だからっ」と軽く笑いながら言うのです。

"俺も被害者"ってどういうこと? 実は、語学学校時代、僕とYちゃんの知らない所で、N君は1号君にひどい扱いをされていたそうです。N君と1号君は同じ学生寮。僕とYちゃんはそこからやや離れた学生寮。N君と1号君は同じ寮で簡単に会えるということで、宿題をやらされる、何か用があると代わりにやらされる、断ると怒鳴られる、嫌味を言われる、頭をこつかれる、蹴られる、つねられるなどなど、数えたらキリがないと言うのです。狭い語学学校の社会、僕にもYちゃんにも誰にも言わず、ただ耐えていたと言うのです。

それだけでも驚きでした。全然気づかなかったから.....N君の告白は、まるで今の時代で言う、自分もあいつの被害者だと告発する、Me Too運動みたいなもんでした。

そして、何より驚いたのが、「1号君って俺の前では、MattとYちゃんのことはクソミソに言ってたんだよ」という告白でした。「だから、仲良く見える1号君とMattの仲はこの先どうにかなっちゃうんじゃないかと密かに心配していた」とも思っていたそうです。

あれっ? Yちゃんは僕によく、"1号君って、人のこと悪く言うけど、Mattの事は絶対に悪く言わない。Mattは勉強熱心で尊敬できるし、憧れているっていつも言ってるよ"と言ってたんだけど.....と、なると1号君はYちゃんの前では僕のことを良く言っているけど、N君とだけになると全然違うことを言っていたんだなということがわかったのです。 

masa-oka.hatenablog.com

 

そして、1993年既にそうだとすると、シアトルのバス停で再会した1995年当時に言っていた、"こちらMattさん。語学学校から始まって今はアメリカの大学生。凄い人なんだよ"と1号君が友人に向けて言っていたお褒めの言葉も全部嘘。 

masa-oka.hatenablog.com

 

尊敬できる、憧れている、凄い人などと僕を言っていたけれど、それは全部嘘。
ぜ~んぶ、嘘。もう嘘、嘘、嘘以外の何物でもない。正真正銘の嘘。

出会った当初から、僕のこと良く思ってなかったんでね。そうきたか~。それに、N君までもがひどい扱いされてたなんて......ST君、アダムだけじゃなかったんだ........しかも、宿題も人にやらせてたなんて、それじゃ英語が全然上達しないのも納得だ........

N君が早々と我々と離れてカリフォルニアへ越してしまった理由は1号君が原因かと尋ねると、全てではないけれどそれも理由の一つと言う答えでした。あの野郎、どんだけ他人の人生にちょっかい出してくんだよ(怒)  

決めたっ! もう覚悟を決めたっ! あの野郎に今度こそ言おう!

オレゴン州にいるYちゃんが、「電話をかけるんだったら落ち着いて話すんだよ」とアドバイスをくれました。そして、電話の会話のシナリオも考えてくれました。

そして、以前は電話をかけることをためらったけれど、今回は思い切ってシアトルにいる1号君のアパートに電話をかけました。

大きな深呼吸をして、落ち着いて、落ち着いて。そう言い聞かせながら.......

以下の会話:赤は1号君青は僕

プルル、プルル........

Hello 
1号君はいつもすごく低い声で電話に出る)

もしもし、1号君? 元気~? (明るく快活に)

あ~ら、Matt。元気? ハワイはいかが~? (
いつものハイトーンマダムになる)

もう最高!最高だし元気過ぎてどうしようもないよ。アッ、ハッ、ハッ!

それなら、よかったわぁ~。最近、おさかんみたいだから心配してたのよ~

(何が心配してただよ!淫乱な男だと言いふらしてるくせに。おさかん?おさかんじゃねーよ)

心配ご無用。元気過ぎて、寝ても覚めてもちんこのことしか考えてないの。24時間、先走りでパンツ濡れてる状態なんだから......(全くの嘘だけど、こうなったら淫乱男ぶろう)

ガハハハハハハッ.......... (何ウケテんだよ。どうせ淫乱男の話が始まったよと馬鹿にした笑いだろ)

この前なんかね、フランス系のアメリカ人。もう、太すぎてあごがはずれるかと思ったんだから。スプレー缶かと思った! ヘアスプレーのケープってあるでしょ。あんなもんじゃないんだから!(これは人から聞いた話を言ってみた)

やだ~、ガハハハハハハッ..........

1号君も早くやっちゃいなよ。いいよ~、最高! (お前のsex想像しただけで悪寒がするわ)

あたくしには、とてもとても.......
(そーだよ。自分のことよくわかってんじゃん。お前みたいなクソ野郎を抱いてやろうなんて男はいないんだよ)

(あっ、Yちゃん作成のシナリオなんてどっかにぶっ飛んじゃったよ。そろそろ、本題に入りますか)

あのね~、この前珍しい人から電話があったんだよ。

N君!!

えっ~!? N君!? あら、懐かしいわ~。どうして急に。元気なの? ま~、会いたいわ~ 
 (何が会いたいだよ。宿題全部やってもらのか?)

元気にしてるよ。おもしろい話いっぱい聞いちゃった....

あら、やだ。アメリカ人の彼女でもできたのかしら~

(心臓ドキドキ、汗出てきた、手が少し震えてきた......)

1号君、N君に宿題やらせたり、色々とひどいことしてたんだって?

やだ~、そんなことしてないわよ。宿題なんてちょっと見てもらった
だけよ。

いや、N君色んなこと教えてくれたよ。僕のこともYちゃんのこともボロクソに言ってたんだってね!

電話越しで相手の表情が見えない、ホノルルとシアトル、約4,300km距離が離れていても、一瞬で二人の間の空気が変わったのを感じ取りました。

チッ 

ST君のことも、アダムの事も全部知ってるんだから......ST君を裸にして手を後ろで縛って口にガムテープ貼って、車を取り上げて........よくそんなことができたね。ひどいことしてるなって思わなかったの? ST君は1号君が理由で留学やめたんだよ。それわかってんの?

それで、今度はMattは淫乱だとか悪影響があるとか何とか言いふらしてるんだって? デコちゃんちに怒鳴り込んで、アダムを返せっ!これはMattの差し金かっ!って騒いだんだってね。ぜ~んぶ、知ってんだよ!

................

男とSEXすることがそんなに悪いことなの? 男のちんぽ咥えたことがそんなに悪いですか? 淫乱って、2人とすれば淫乱なの? 男とSEXしただけで、信頼できない? 悪影響あるの? じゃあ、世の中の男女って誰もかれも淫乱で信用なしで悪影響ですか? 1号君はまだSEXしてないから、信頼がある人なんだ。人々に素晴らしい影響を与える人なんだ。へぇ~、そうなんだ。

...................

何か言ったら? 聞いてんの?

..................... うるせぇな~ 
(小声で言った)

聞いてる?........

何も返してこない。ただシーンとしている。僕だけが一方的にしゃべっている感じ。何とも言えない異様な雰囲気。とにかく、1号君は黙りっぱなし。

おい、てめぇ~、聞いてんのか?
 
(あー、言っちゃった.....)

僕は子供の頃から乱暴な言葉遣いは一切しません。女の子のようにずっと来ちゃったもんですから、人前であからさまな男言葉って恥ずかしいんですよね。1号君は山の手のマダムのような雰囲気ですが、僕もこれまで何度か、山の手のいいとこの坊ちゃんと思われることがありました。全然、そうじゃないんですけど.......この電話の時は、言葉が乱れました。よほど、頭に血がのぼってしまったんだと思います。

そんなに大声出さないでいただける?

はーっ? ふざんけんな、てめぇ

じゃあ、あたくしも言わせて頂くわ。あなたは前からいい気になってんのよ。ムカつくのよそれが

はーーーーーっ? 何言ってんの? てめぇがしてきたこと、全然悪いと思ってねーだろ。どんだけの人間だよ、お前は。

ちょっと、そんなに大声出さなくても聞こえるわよ。それになんなのその言葉遣い? あなたらしくないわよ

てめぇ~がそうさせてんだろっ! 馬鹿じゃねぇの? (あー、馬鹿って言っちゃった)

失礼ね。これだから田舎者はダメなのよ。あなたもYもNもSTもデコもみんな.......

田舎者? じゃぁ、てめぇは何様なんだよ? どこのどいつだよ?

あたくし? 港区生まれの港区育ちよ。それが何か?

何だそれっ? 笑わせんなよ! 意味不明.......他人様をイジメたり裸にして手縛って、人の嘘の話を流してる様じゃ、港区生まれ港区育ちが泣くわっ。駄目だこりゃ.....

あらっ、そう。あなたアメックスって持ってらっしゃるの?

アメックス? 何で今アメックスの話が出てくるんだよ! マスターカードだよっ。それが何だよ!

オホホッ。マスターカード。アメックスお持ちでないの。これだから田舎者はダメなのよ! (1号君はアメリカンエクスプレスカードは都会の金持ちの特権だと勘違いしていたらしい)

さっきから意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ。馬鹿じゃねえのかっ。


この後も口論は続く。でも何を話したのか記憶にない。

そして、口論も終盤にさしかかり...........

てめぇ~、二度と電話してくんなよ。今後一切、変な噂流したりすんじゃねえぞ。全部、てめぇがやってること知ってんだかんな。わかったか!

言われなくても電話などしません。

あ~そうですか。それなら結構。さよなら!!!

ガチャ!

こうして、僕と1号君の電話越しの口論は終わりました。とてつもなく、色んなことを言い争いましたが、何を言ったか全くもって覚えておりません。覚えている範囲で会話をまとめてみました。

僕は言葉を乱し荒れ狂ったのに対し、1号君は終始マダムであったことはアッパレだと思います。 やっぱり、港区生まれ港区育ちだからでしょうか(笑)

僕は24歳。1号君は25歳。若い二人のゲイの幼稚ないざこざがそこで完結しました。

そしてその後、1号君はデコちゃんやアダムが知らないうちにシアトルを去ったそうです。日本に帰ったのだと思います。そこはわかりません。

そして、僕の生活からは一切1号君の存在が消え去り、僕のホノルルでの生活はグングンと止まることを知らず、幸せの最高潮に昇りつめて行きます。

1号君との最後の電話は1997年後半の出来事でした。

もう一生、1号君の顔を生で見るとは思いもしませんでした。

ですが......ですが......

2001年もしくは2002年のいつ頃かは忘れてしまいましたが、新宿2丁目のある場所で、僕の数メートル先に1号君がいたという、超ニアミス事件がありました。ほんとにすぐそこ。向こうはわからなかったと思います。たぶん........

あまりにも驚きすぎて、僕のおちんちんはちっちゃく萎んでしまい、そそくさとその場を去りました。それが、1号君の顔を生で見た最後の瞬間です。

それから何年かは1号君がどこで何をしているのかは不明でしたが、最近はSNSなので彼が現在何をしているのかという情報は得ています。

Yちゃんやデコちゃんと、相変わらず大きなこと言って変わらないねって言ってます。

1993年に初めて出会って僕のゲイ友第1号になった1号君。楽しいことも沢山あったけれど、紆余曲折を経て結局は彼との友人関係はご破算になってしまったことは残念なことです。でも、1号君がしてきたことを考えれば仕方のないことだったと思います。彼との関係で良いことも悪いことも両方学べたということは確かです。ですから無駄ではなかったのだと思います。僕がゲイとしてこれまで生きてきた人生を語るうえで、欠かすことのできない存在である1号君。そんな彼との関係について、この「ゲイ友第1号と決別たこと」シリーズで語らせて頂きました。読んでくださった方、長い間、くだらない話につきあってくれてありがとうございました。また、次回からは普通の内容でブログを更新していきたいと思います。

書き終えてとってもホッとしている今日この頃

では、また~