GAYひとり大地を行く

40代のゲイ雑記。19年間の社会不安障害との闘いを経て、バリバリのおひとりさまですが頑張って生きています。日々の暮らしで思ったこと、社会不安障害のこと、8年間の留学生活で学んだことなどを綴っていきます。

ゲイ友第1号と決別したこと~第12章

Mattです。

4月に入り仕事中心の日々を送っているため、なかなかブログを書く時間がとれず、この1週間ほど更新をお休みさせて頂きました。もう少し休もうかと思いましたが、皆さまに忘れ去られてしまわないよう今日は更新をさせて頂きました。

ブログに書きたいという出来事がいくつかあったのですが、それについては後程ということにして、今日は個人的にさっさと終わりにしたい「ゲイ友第1号と決別したこと」シリーズ第12章へ行きます。

さてさて、

1996年、シアトルにも秋の気配を感じ始めた頃、ST君は夢破れ日本へ帰国しました。そしてあの"往復ビンタの夜"以来、僕は1号君と連絡を取り合うことも会うことも一切なく、1996年を無事に終えることができました。

1号君は僕にとって"ゲイ友第1号"という記念すべき肩書を持つ相手でしたが、もう僕の中では彼の存在は8割強消えかかっていたかもしれません。1997年3月にはシアトルの短期大学を卒業することになっていましたので、1号君のST君に対する非道な行為を知ってしまった以上、彼の事を考えることより、自分の未来を見つめなくてはいけない状況になっていたからです。

しかし、1997年1月、1本の電話が僕と1号君を再び結びつけました。

以下の会話:赤は僕 青は1号君

プルル、プルル

Hello (シアトルなので英語で出る)

ご無沙汰しております.......(遠慮がちの弱々しい声で)

電話に出た瞬間、僕の体はギュッと硬直しました。ガチャッといきなり切ることもできたでしょうが、僕は電話を切ることなく冷静を装いました。

あっ!久しぶり~、元気?

ごめんなさいね~。長い間連絡もせずに。

こちらこそごめんね。元気にしてた? (心にもないことを僕は言う)

う、うん (シクシクと泣いている様子)

            
あれっ? どうしたの? 泣いてるの? 大丈夫?

う、うん。あのね、聞いてほしいことがあるの.......(シクシク泣いている
.
以前なら、彼が泣いていたら心から心配をしたでしょう。しかしこの時は彼が涙を流そうと何だろうと苦しめばいいとさえ思いました。僕の中では山の手のマダムという顔の裏に隠された悪魔の顔を持つ1号君と対等に付き合っていくとすれば、自分自身の心も悪魔にしなくてはやっていけないと悟っていましたから.......

どんなこと? 

うん。電話じゃなくて、会って話したいの......

そう。じゃあ、今度ゆっくり聞かせてよ 
(うわっ、めんどくせぇこと言っちまったぜ)

やっぱり話せるのMattしかいないのよ~。よかったわぁ~、電話かけて。

そして、僕達は再び会うことに..........

どんな話をするんだろう。あの涙でつられたか? 今度は自分がST君のような目にあってしまうのか?いや、それはないだろう。色々と考えながらの再会でした。しかし、彼との久々の再会を不安に思う一方で、あいつの泣いている姿を見てみたい。何かに苦しんでいる姿を見てみたいという冷酷な期待もありました。

そして再会の日。1号君のアパートで。

まるで今までのことがなかった様な再会でした。いつものように山の手のマダム風に僕を出迎えてくれました。いつものようにエルメスか何かの高級カップにお茶を入れてくれました。

そして、1号君の話というのは、僕と会っていなかった期間に彼に起きた出来事についてでした。

1号君の話によると、1996年の夏休みに1度日本に帰り、2丁目で30代半ば?の(1号君より10歳ぐらい上)アメリカ人男性と知りあったとのこと。その時はほんの数回程しか会えず、そして冬に再び日本に戻り、またそのアメリカ人男性と再会。その時は運悪いことにそのアメリカ人が完全にアメリカへ帰国する寸前で、たった1回しか会えなかったとのこと。そして手をつないだり、キスをちょっとするだけの淡い関係で終わったとのこと。

1号君は両手で顔を抑え、シクシクと泣きながら話してくれました。山の手のマダム、悪魔の申し子、この時は純情可憐な乙女でした。こいつは七つの顔を持つ男かっ!いろんな顔を持つ男だよと少々呆れながら彼の話に耳を傾けました。

そして、その男性はその後アメリカへ完全帰国してしまったそうで、連絡先も知らずもう会えないとただ泣いていました。もう好きで好きでどうしようもなく、彼のことが忘れられない。苦しくて苦しくて、もう耐えられない。ただシクシクと、時には嗚咽しながら泣いていました。

もう僕の心は冷え切っていました。親身になって1号君を慰める振りをしながら、心の中では「こんな気持ち悪い男とよくキスなんかできるな。考えただけで吐き気がするわ。そのアメリカ人相当視力悪いんじゃねぇ~の」とか「泣け、泣け。苦しめ。天罰だよ、天罰」などと思いながら、1号君の涙の演説につきあいました。「こんな性格の腐ったブサイク野郎が男と出会えるんだったら、自分なんて超簡単じゃね」と、僕も人のことは言えたもんじゃない男ですが、そうとまで思いました。

当時、僕も1号君も男性経験ゼロのバリバリの童貞君(処女っていったほうが適切なのか?
そんな僕らにしてみたら、男性と手を握ったりキスなんかしたりでもしたら、大事件レベルだったわけです。そこを突いてきたんですね、1号君は。

涙を流す悲しい顔の裏で、「うらやましいだろ。お前は男とキスしたことがあるのか? ないだろ? キス以前に男と出会ったことすらないだろ。」と言っているようでした。男性関係で一歩僕より前に出た1号君は、まるでこの事を利用してST君の件で不利になった立場を逆転しようとしている魂胆が見え見えでした。

僕は1号君に対して心の中では「てめぇみてぇなクソ野郎誰が好きになるんだよっ!」と思いつつも、「またきっといい出会いがあるよ。だから泣かないで。ねっ」なんて優しく慰めたりして、何とかその再会の日は終了しました。

その再会の日を境に、また少しずつ僕と1号君は会うようになったのですが、再会の日からわずか1週間、もしくは2週間ぐらい経ってからでしょうか........ほんとすぐでしたね。1号君のアパートへ呼ばれました。

玄関を開けると.......

Matt, いらっしゃ~い。紹介したい人がいるのよ~ (やけに幸せそうだ)

そこには、細身で背がスラッとした、そしてとてもハンサムなアメリカ人男性が立っていたのです


一体この人は誰? えっ? もしかして2丁目で知り合ったと言うアメリカ人? 

それとも.......

つづく

では、また~