GAYひとり大地を行く

40代のゲイ雑記。19年間の社会不安障害との闘いを経て、バリバリのおひとりさまですが頑張って生きています。日々の暮らしで思ったこと、社会不安障害のこと、8年間の留学生活で学んだことなどを綴っていきます。

ゲイ友第1号と決別したこと~第6章

Mattです。

 「ゲイ友第1号と決別したこと」シリーズ第6章です。

 今回の第6章では、新たな日本人男子留学生ST君の登場によって、僕が1号君に対して不信感を増したこと、1号君が"山の手のマダム"から"山の手の悪魔"への変貌していくことを書こうと思ったのですが、その1段階前のことを忘れていたので、そのことについてこの第6章で書かせて頂きます。

 1996年は僕と1号君が出会ってから4年目。

 どこか互いに警戒心を持ちながら接するようになってはいたけれど、週末は必ず一緒に過ごすなどして、二人の関係はまだ"安全ゾーン"の中にありました。

 1号君の独特なキャラクターも僕の中では完全に消化され、1号君が自分を"俺"と呼ぼうが"あたくし"と呼ぼうが、もうそんなことはどうでもいいことになっており、完全に意識しなくなっていました。

 仲良しのYちゃんがオレゴン州からシアトルに遊びに来て、僕と1号君と3人で楽しい時間を過ごしてからだと思います。

 1号君が僕に対して完全なる上から目線をあらわにするようになっていきました。

 以前から自分が主役でなくてはならないような性格というのはわかっていましたが、僕に対してはそういった態度をとったことは殆どなかったので、僕としても急な事でとまどいを感じざるを得ませんでした。

 特に、あてつけがましい金持ってますアピールが執拗に繰り返されるようになります。

 第4章でも触れましたが、1号君のアパートは23歳の男子には到底似つかわしくない極めてハイセンスなインテリアで飾られ、食器はエルメスティファニー。それだけでも彼が裕福なうちの子であるというアピールは充分にできていて、我々もそれをわかっていました。でも、わざわざ言葉や態度で必要以上にアピールされるとドン引きです。

 最初は僕も凄いなぁとかいいなぁとか思っていたけれど、繰り返されるうちに、「チッ、また始まったよ」「はい、はい、はい、エルメス、ヴィトン、なんちゃらかんちゃら、凄いでございます」みたいにイラつくようになっていきました。

 何か新しい高価なものを買うと必ず紹介してくれるのですが、もう明らかに1号君の目が言っているのです。

"あなたのような平民にはとてもとても買えなくてよ!"

 
まるで山の手の意地の悪いマダムが、大きなフサフサの扇子をあおぎながら、オーホッホッホッと高笑いしているようでした。そして人を小馬鹿にするその視線は、僕の眼球を焦げ付かせてしまうのではないかと思うほど熱く鋭いものでした。

"平民どもよ。あたくしの前で膝まづくがいいわっ!"

 そう言っているようにも聞こえました。

 何十回、何百回と彼の金持ってますアピールを聞かされて、ひとつひとつは覚えていませんが、一番記憶にあるのは、


 「あたくし、昨日これをノードストローム(デパート)で衝動買いしてしまったのよ~。見て~、素敵でしょう? ラルフローレンなのよ~」

 素敵だね~って僕は言いましたけど、正直、押し入れの下のほうで押しつぶされたかび臭い昭和のせんべい布団を着てるのかと思いました。もうそれぐらい、彼の金持ってますアピールにうんざりしていて、僕の中で1号君との関係においては"安全ゾーン"ぎりぎりラインまで来ていました。

 友人のデコちゃんによると、この金持ってますアピールをデコちゃんの前や他の学生の前でもやっていたようで、それで語学学校でも浮いた存在になってしまったとのこと。

 よくよく考えてみれば1号君はアンラッキーと言うか、かわいそうな人だと思うんです。留学4年目にしても英語がなかなか上達しない、周りの留学生みんなに抜かされていく。悔しかったと思いますよ。そんな悔しさの中で、きっと金持ってますアピールは1号君に残された唯一の他を追い抜く手段だったのかもしれませんね。

 でも、1号君もそこで止めておけばよかったんです。金持ってますアピールをする人なんてザラにいますものね。それだけだったらな、今もきっと付き合いがあっただろうに。なんで、そこから暴走しちゃったのかな。

 そして、ついに僕と1号君の前に新たな日本人男子留学生ST君が登場し、僕は1号君が悪魔と化していくところを目撃することになるのです。

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1号君がさりげなく自慢してきたヴィトン、ちっさかったわ~。でも当時は僕らまだ学生だったでしょ。それに今の様に、猫も杓子もヴィトンの時代じゃなかったら、ちっさくてもそれなりのインパクトはありました。

では、また~